「2022~2040年度の新設住宅着工戸数」
≪2030年度には貸家28万戸と漸減する見込み≫
㈱野村総合研究所は6月9日、日本における「2022~2040年度の新設住宅着工戸数」「2021~2040年のリフォーム市場規模」「2019~2040年の既存住宅(新築以外の住宅)流通量」を推計・予測した結果を次の通り発表した。
新設住宅着工戸数は、短期的にはウクライナ侵攻や新型コロナの感染拡大に伴う供給制約の影響で、落ち込む可能性を孕みつつ、長期的には現在の傾向を維持して減少していく見通し。
新設住宅着工戸数は2021年度の87万戸から、2030年度には70万戸、2040年度には49万戸と減少していく見込みで、利用関係別に見ると2030年度には持家25万戸、分譲住宅17万戸、貸家(給与住宅を含む)28万戸といずれも漸減する見込み。
一方、既存住宅流通量やリフォーム市場規模は、良質な住宅ストックの増加や住宅業界における官民を挙げたストック活用の動きを受け、増加の見通し。ただし、現状の延長線上では、その増加幅は新設住宅着工戸数の減少分を補うほどの規模とはならない見込み。
良質な住宅ストックの活用はSDGsの観点からも重要性を増していくと考えられる。居住者がライフスタイルの変化に応じて住み替えやすい・リフォームしやすい環境作りは継続しつつ、非住宅への転用促進など新たな観点も取り入れた創意工夫が必要と考えられる。